DDS(デッド・デッド・スワップ)とは

DDSとは

DDSとは、債務を資本的な債務に交換することを意味します。
DDSとは、一般的に、債務の「デッド”Debt”」を資本的劣後ローン「デッド”Debt”」に交換「スワップ”Swap”」するという意味で用いられます。
DDSの呼びかたとしては、各頭文字を発音して「DDS(ディーディーエス)」と呼ばれています。
DDSは中小企業等の企業再生手法の一つであり、金融機関が債務者の再生支援策として実施する金融支援の一つとして位置づけられます。
DDSは主に金融機関が行う金融支援手法ですが、金融機関にとってDDSを行うことは「他の債権返済後に弁済を受ける劣後化された債権」といえます。 故に、金融支援で行われるDDSは資本的劣後ローンとも呼ばれています。
一方で、金融支援を受ける債務者にとってDDSを受けることは「債権の劣後化」といえます。
尚、金融支援を受けた債務者の決算書状に於いて、DDSを受けた債務については資本としてみなされます。
以上から、DDSとは、債権者(主に金融機関)が債務者に対して有している債権(主に貸付金)を、別の条件の債権(貸付金)に変更することといえそうです。

DDSを用いた再生支援手法

DDSとは

DDSを金融機関はなぜ行うのでしょうか
金融機関が中小企業をはじめとする再生支援に力をいれることは、日本経済・地域経済の発展には不可欠な取組みであることは周知の事実です。
金融機関が企業再生において企業に対して講じてきた再生手法には様々な取組みがあります。
具体的には、
●債務圧縮を目的とした手法である、「債務免除、DES、DDS、リスケジュール」
●資本増強を目的とした手法である、「増資」
●不要不急の資産の売却による債務弁済
などが挙げられます。
DDSは、上記に示したとおり債務圧縮を目的とした再生手法の一つです。しかしながら、同じ債務圧縮を目的とした債務免除とDDSでは、その性質は大きく異なります。
DDS(既存ローンを劣後ローンへ転換)を金融機関が行った場合、債権放棄と異なり金融機関は債権を継続保有し、債務者は債務(劣後ローン)の最終的な返済義務を負うことになります。
債務者は劣後化した債務の返済義務負うことにはなりますが、一定期間の弁済猶予やDDSを資本とみなすことができますので、債務者は実質的には財務状況が改善され、 再生の可能性が高まるといえます。
つまり、債務免除(債権カット)は銀行にとっては確実に損失額が確定するのに対し、DDSは債務者が最終的に債務の返済義務(DDSの返済義務)を負うことから、債務免除(債権カット)に 比べて、DDSの実行のほうが障壁が低いといえます。
DDSは金融検査マニュアルに於いて導入された手法ではありますが、DDSは債務免除といった再生手法に比べて損失が確定しないことから、金融機関にとって比較的取り組みやすい 再生支援手法といた解釈が適当といえそうです。

金融支援策としてのDDSの導入について

金融機関がDDSを実施する際のよりどころとなるものは、金融検査マニュアルとなります。
金融検査マニュアルに於いては、一定の要件を満たすDDSを行った場合には、金融機関による債務者に対する自己査定上、劣後ローン(資本的劣後ローン)を資本とみなせるとされています。
つまり、金融機関が企業再生手法として金融支援の一つであるDDSを実施する際には、金融検査マニュアルに記載されている資本とみなすことができる要件を満たすDDSを実施する ことが重要なポイントとなるといえます。

金融円滑化法の出口戦略におけるDDSの活用

金融検査マニュアルで示されるDDSとは

金融円滑化法の終了に伴う出口戦略とは、金融機関が中小企業に対し「真の意味で中小企業の経営改善につながる支援を強力に推し進めていく」ことを意味します。
言い換えるならば、金融円滑化法の終了に伴う出口戦略とは、金融機関に於いては、貸付条件の変更を行っている中小企業に対し積極的な経営支援活動 (コンサルティング機能の発揮)を求められていると言えそうです。
積極的な経営支援活動の結果、必要な金融支援を行うことが必要となるのは必然であり、その際にはDDSといった金融支援策の検討が必要になるといえます。
無論、企業再生の手法に決まった手続きはありませんが、目先の資金繰り支援を行うための条件変更に応じるだけでは 真の企業再生など実現できるわけもありません。
しかし、企業の自助努力にも限界があります。そこで、様々な角度から再生計画の支援方法の最適手法を選択していくことが金融機関にも求められているのです。
そこで、以下にて昨今注目を集めているDDSによる金融支援についてのアウトラインを解説します。

金融検査マニュアルで示されるDDSとは

平成24年11月現在の金融検査マニュアル上、DDSには「早期経営改善特例型の資本的劣後ローン」と「准資本型の資本的劣後ローン」の2種類が存在します。
●早期経営改善特例型
●准資本型

資本的劣後ローン(早期経営改善特例型)

資本的劣後ローン(早期経営改善特例型)

資本的劣後ローン(早期経営改善特例型)とは、平成16年2月の金融検査マニュアルの改訂において導入されたものです。
以下の要件をすべて満たす貸出金(劣後ローン)へ転換している場合に、当該債権(資本的劣後ローン「早期経営改善特例型」)を資本とみなせるとされています。
●中小・零細企業向け要注意債権であること
●実現可能性が高い経営改善計画を策定していること
●関係者間で合意がなされていること
●返済はすべての債権完済後に開始すること
●デフォルトが生じた場合、請求権はすべての債権弁済後に生じること
●債務者の財務状況の開示及びキャッシュフローに対して一定の関与ができること
●期限の利益を喪失した場合にはすべての債務について期限の利益を喪失すること
注…大枠の要件であって、細かい決まりが上記以外にもあり。

資本的劣後ローン(准資本型)

資本的劣後ローン(准資本型)

資本的劣後ローン(准資本型)とは、平成20年3月の金融検査マニュアルの改訂において導入されたものです。
准資本型は、早期経営改善特例型と異なり、「十分な資本的性質が認められる借入金」のことをいうとのみ定められています。
各種要件が定められていないが故に使い勝手がよさそうではありますが、実務的には注意が必要な点が数点あります。
諸注意項目については、今後UPしていきます。

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