組織力とパフォーマンス

組織のパフォーマンス

企業経営において、組織力というテーマは非常に重要なテーマである。
組織力と聞くと、個人で動いた結果よりも、大きな結果(パフォーマンス)が出せるといった感覚がある。
企業組織においても、組織(集団)で動いたパフォーマンスは、企業に対し、より大きな付加価値・成果・収益などを創造し、企業の成長に寄与することを当然に期待する。
つまり、個人が動いた結果として得られるパフォーマンスを1とした場合、組織のパフォーマンスは「1+1+1=3.2」といった計算結果が期待されるといえる。
一見すると、組織で動いた結果は、個人で動いた結果よりも高くなるのは当然であり、組織力のパフォーマンスが「3.2」になるというシナジー効果は当然のようにも思える。
だが、実際は、組織が行動した結果は、「1+1+1=1.9」となるケースが多い。
組織とは、多様性を持つ個人の集団であるがゆえに、組織が期待通りのパフォーマンスをあげることは非常に難しいのである。


コラム:集団意思決定の罠(落とし穴)

組織パフォーマンスが、「1+1+1=1.9」となってしますう要因は、多くの要素で構成される。
組織力が期待値に届かない要因の一要素に、極めて日本的な心理がある。
その心理は、日本人の意思決定は場の空気に左右されやすいという心理。「集団意思決定の病理」である。
※欧米諸国では、組織力を低下させる要因の要素としては余り注目されていないようである。
集団意思決定の病理とは、社会的手抜き、同調圧力、リスキー・シフト、過剰そん度(タク)などを示す。
集団意思決定の病理を知らない場合(知らないふりをした場合)、その場の雰囲気で誤った決定が安易に行われるのである。これは、個人で行動している場合には基本的には起きない事象である。
集団意思決定の病理を防ぐことで、組織のパフォーマンスを改善することは可能となる。



組織力とは、遂行能力と戦略能力の掛け算

組織力

組織力を遂行能力×戦略能力とする考え方がある。
組織における遂行能力とは、組織の目的・目標を達成するため、集団が一致団結し、組織能力を高めて業務を遂行する能力といえる。
組織における戦略能力とは、経営環境の変化や様々な顧客ニーズなどを適切に分析し、戦略を立案し実行する能力といえる。
組織が期待通りのパフォーマンスをあげるには、この二つの能力を管理すればよい。




組織力の高め方

組織力を高めるためには、組織の『遂行能力』並びに『戦略能力』を高めれ ばよい。
厄介なのは、どのようにして遂行能力並びに戦略能力を高めるかということである。
組織の遂行能力や戦略能力は組織としての能力であり、組織の構成員である個人の遂行能力や戦略能力ではない。
原則からすれば、個人の能力を集団内で共有し、組織の遂行能力・組織の戦略能力に転化しなければ、組織の能力は高まらない。つまり、「個人の能力」→「集団の能力」→「組織の能力」のステップを経なければ、組織としての能力は高まらないといえるのである。
この組織能力向上のプロセスを体系的にまとめたマネジメント手法がナレッジマネジメントである。
ナレッジマネジメントの実践により、組織能力を高めることが十分期待されるのである。

ナレッジとは

ナレッジは知識と訳される。
ナレッジは、企業活動に役立つ経験や知識の集積であり、組織パフォーマンス向上の原動力である。組織の『遂行能力』並びに『戦略能力』を高める土台(ベース)となるものがナレッジである。
当然、ナレッジが土台になくても組織力はある程度は高めることができる。
しかし、ナレッジという土台がある企業とない企業では、その組織能力の潜在的なポテンシャルは歴然としており、企業活動を数年経るとその組織力は歴然とした差となって現れるのは明白である。
ナレッジを活かした経営手法のナレッジマネジメントナレジマネジメントとは、企業内の個人の知識(情報を含む)を組織的に集約し活用し、企業価値を高める知恵を創造し、その創造された知恵を組織的に活用していく経営手法である。

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